【コロナ禍の小売業】緊急事態宣言下の”時計店のリアル”をお伝えします

トレンド・時事

こんにちは、マッハです。

Q.緊急事態宣言下で時計店ってぶっちゃけどうなんですか?

おぉ、それを聞いてしまいますか…

ということで、本記事では上記の疑問にお答えします。

「現場のリアルを伝える」

これは実際に普段、時計店で働いている自分であるからできることだと感じています。

その立場から自分なりの緊急事態宣言下で働いていて思う事についてまとめてみました。

結論から言うと、緊急事態宣言下の時計店は『悲惨』です

今回の内容はどうしても暗い話になりがちですが、時計業界含めた小売の現状を知るうえで皆さんにぜひ知って欲しい内容です。

では始めていきましょう。

本日の流れは以下のようになっています。

小売業の深刻さを象徴するニュースの数々

まずは時計含めた「小売業界全体」のニュースから。

2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大は、日本を含め世界中に大きな経済的なダメージを与えています。

その中でも特に深刻だと言われているのが、航空・旅行・飲食・宿泊・製造あたりの業種で、その実情は連日ニュースで取り上げられています。

ただそれに対して言いたいのは、「小売業界(※時計含む)も相当ヤバいですよ」ということ。

他業種に比べて相対的にインパクトが劣るのか、どうしても世間からの注目度は低めな気がしています。

そこで以下では始めにコロナによる小売業へのダメージを象徴するニュースをご紹介したいと思います。

コロナ解雇、小売業も1万人超

まずはこちら↓

コロナ解雇、小売業も1万人超 製造・飲食に続き:時事ドットコム
新型コロナウイルス感染拡大の影響による国内全体の解雇・雇い止め人数(見込みを含む)が、小売業で1万人を超えたことが分かった。厚生労働省が8日公表した集計結果で明らかになった。これによると、小売業は4日時点で累計1万238人。製造業、飲食業に続く1万人超えとなり、新型コロナによる雇用への影響が深刻化してきた。

こちらの記事の概要をまとめると、

新型コロナウイルス感染拡大の影響による国内全体の解雇・雇い止め人数(見込みを含む)が、小売業で1万人超え。(4日時点で累計1万238人)
製造業、飲食業に続く1万人超えとなり、新型コロナによる雇用への影響が深刻化。

いきなり破壊力ある内容ですみません。

正直新型コロナの小売業への影響の深刻さはこの記事だけで十分なのかもしれません。

製造業・飲食業に続いて、解雇・雇い止めが1万人超え

周りの知り合いの中でも、第一回目の緊急事態宣言時の自粛の際に、雇用が維持できずに失業した人がいたという話を聞きました。

仮にこの第一回の緊急事態宣言時を乗り越えられたとしても、短期的には終息しそうにない消費マインドの低下から起こる売上の低迷の継続化

これによってジワジワと確実に企業体力を奪っていきます。

こうした中で体力の無い企業から徐々に解雇・雇い止めが起こるのです。

『ギンザシックス』大量閉店の衝撃

次に最近話題となった記事がこちら↓

銀座最大級の商業施設「GINZA SIX」で大量閉店 1月17日に14店舗が一斉撤退(ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース
 銀座最大級の商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス/東京都中央区)」で1月17日、飲食店、アパレルショップ、コスメブランドなどのテナント14店舗が閉店した。2020年12月27日以降での閉

こちらの記事によると、

銀座最大級の商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス/東京都中央区)」で1月17日、飲食店、アパレルショップ、コスメブランドなどのテナント14店舗が閉店した。2020年12月27日以降での閉店は計18店舗になる。

とあるように銀座最大級の商業施設「GINZA SIX」のテナントが一斉に撤退するということがYahoo!ニュースのランキングで上位に入るなど大きなニュースになりました。

元々ギンザシックスはインバウンド向けのテナントも多く、コロナによってインバウンド需要がほぼ消滅した状態では店舗の維持が難しくなる企業が多かったということでしょう。

もちろんこのニュースの後に

「グッチ ウォッチ & ジュエリー」
「ダンヒル(DUNHILL)」
「ザ・ロウ(THE ROW)」
「リック・オウエンス(RICK OWENS)」

などの40以上の新規ブランドが新たに出店するとのことで、ギンザシックスの施設が歯抜け状態になることはなさそうです。

銀座最大級の「GINZA SIX」、高級生活雑貨や食品を強化…開業以来初の大規模入れ替え(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
 東京・銀座で最大級の複合商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」は26日、開業以来初めての大規模なテナントの入れ替えを行うと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で商業施設が苦戦を強いられ

ただ、売上低迷によって撤退に追い込まれたテナントが数多くいるという事実は、コロナウイルスによる経済へのダメージの大きさを物語るのには十分でしょう。

このように小売業へのダメージの深刻さを象徴するニュースの数々を紹介してきました。もちろんこれは氷山の一角なので、探せばいくらでも同様の記事は見つかるでしょう。

気分を害するようでしたら申し訳ないですが、これがリアルな現状です。

時計業界トップが赤字転落の衝撃

そして時計業界に目を向けてみます。

こちらもコロナによる影響の深刻さを物語る重大なニュースがありました。

それがこちら↓

スウォッチ 約40年ぶりの赤字 - Yahoo!ニュース
スイスの大手腕時計メーカー、スウォッチグループが発表した2020年決算は、純損益が6000万ドルの赤字となった。年間赤字は、同社が現在の経営形態を立ち上げ、看板商品となったプラスチック製腕時計を発売した1983年以降で初めて。

上記の記事の重要部分を引用すると、

スイスの大手腕時計メーカー、スウォッチグループが28日発表した2020年決算は、純損益が5300万スイスフラン(6000万ドル)の赤字となった。年間赤字は、同社が現在の経営形態を立ち上げ、看板商品となったプラスチック製腕時計を発売した1983年以降で初めて。

https://news.yahoo.co.jp/articles/df350c63787f0ce0be9cd64af049e96353a999ee

ちなみに「6000万ドル」は日本円で約63億円(※1ドル=105円計算)

さらにスウォッチグループの20年売上高は前年比32%減の55億9000万フラン(約6523億円)ということでスイス腕時計業界全体の減収率(22%)より大幅な落ち込みを記録したとのこと。

『スウォッチグループ』と言えば、時計の世界ではアップルウォッチを除けば、”業界最大手の巨大グループ”になります。その時計のトップが1983年以来初の年間赤字に転落したという衝撃は大きいです。

もちろん売上規模に比べて赤字額が小さいため、これによって直ちに経営が息詰まるということは無いでしょう。

しかし、名だたる有名ブランドを抱えた世界最大グループでさえもコロナ禍では赤字となるという、時計業界の不振を象徴する出来事でした。

では、日本はどうか?

Twitterである方も言ってましたが、元々日本では2019年10月の増税によって時計業界が大きな逆風を受けていました。

その中での新型コロナウイルスの感染拡大。

「増税×コロナ」

どちらか一方だけでも厳しいのに、このダブルパンチは相当堪えるものがあります。

実際に第2四半期までの決算では、国産時計主要3メーカーの中で「セイコー」「シチズン」の2社が営業赤字となっています。

緊急事態宣言下の時計屋のリアル

ここで、自身の経験談をお伝えします。

現在、この記事を書いているマッハは現役の時計販売員ですが、緊急事態宣言下の時計屋の状況をは冒頭でも述べた通り悲惨です。

自分の働いてる店舗に限った話をすると、売上はだいたいの平均で前年比50~60%くらいでしょうか。酷い場合だと前年比30%台の月もありました。

売上減少の主な要因は以下↓

  • コロナ禍での外出自粛・将来不安による消費マインドの低迷
  • 「時計」自体が生活必需品ではないため
  • 在宅期間が長くなり、時計の使用機会が減少したため
  • インバウンド(訪日客)の激減

特に、これまでは日本人の代わりに、海外の方が買ってくれたので時計業界の落ち込みが抑えられていた部分が大きかったのです。

これは正直厳しいと言わざるを得ません。

さらに夢の無い話をしてしまいますが、そもそも時計屋って儲かりません(笑)

メーカーの立場が強くて、仕入れ値や仕入れモデルは決められているし、売れ筋モデルだけなど欲しいものだけを仕入れることが基本的にはできない。

さらに、ネット全盛期の昨今では定価のままで売れる商品も少ないです。

店頭で実物の商品を見て、スマホで最安値を検索。その後、家に帰ってポチッ。

そんなことは日常茶飯事です。(多分、小売店あるあるの一つ)

もちろんこれが悪いことだと思いませんし、消費者としては賢い選択かと。

だから店側もネット最安値に近づくように多少は値引かないと売れないので、利益を削らないといけない。

つまり、高級専門店以外は「薄利多売」を前提としたビジネスです。

ですが今はその「多売」をすることができない。

時計業界20年ほどのベテランの先輩も、
「こんなに売れない日が続くのは今までない。」
と嘆くほどの状態にあるのです。

だからこそ、時計店も苦境に喘いでいると言えるのです。

次世代のニューノーマルは「デジタル接客」?

ここまででコロナ禍の小売業のリアルについてお話ししていきました。

このまま終わってしまうと、辛い現実に絶望し、皆さんの明日からのやる気を無くしてしまう可能性があるので最後に希望の持てる話を。

と言っても、ここからは未熟な一人の販売員が思うことなので参考程度に聞いてください。

「コロナ」といった大きな出来事があると、各分野において従来では当たり前とされていた手法が大きく変わる可能性があります。

昨年『ニューノーマル』という言葉が流行しましたが、これは

社会に大きな変化が起こり、変化が起こる以前とは同じ姿に戻ることができず、新たな常識が定着することを指します。「新常態」とも呼ばれます。

引用:https://www.i-learning.jp/topics/column/useful/newnormal.html

つまり、人々の生活様式や行動様式が変わるということ。

それに応じて販売する側もその手法を変えていかないと、時代に取り残されてしまいます。

小売業界の次世代の接客に関して、以前にこんなツイートをしました↓

ざっくりと上記の記事をまとめると、

【デジタル接客】=販売スタッフのオムニチャネル化

販売スタッフが着用したコーディネート写真を、ECサイトやインスタグラムなどのSNSに投稿。(リアル店舗→ネット)

そこに商品情報をひも付けて販売(オンライン上でも接客が可能に)

UPした商品が販売されると「直接売上」。
この画面から別のアイテムに売り上げがいくと「間接売上」。

ECサイト上に顧客がつくスタッフに。
スタッフへの信頼を持って来店してくれるように(ネット→リアル店舗)

これはつまり、

「リアル店舗(販売スタッフ)×デジタル(ECサイト×SNS)」の融合

に対する取り組みの推進です。

一般的な、「実店舗を持つ企業がECサイトやSNSを使用しての宣伝活動」との違いは、会社ではなく”販売スタッフ個人”に顧客が付くようになるということです。

ちなみに、売り上げの数%がインセンティブとして、スタッフの給与に加算されるとのこと。

これはモチベーション上がりそう。

こういった生き残りをかけた取り組みは既に始まっているのです。

自分自身もコロナで売れない時期が続いた経験から学んだことは、「この人から買いたい!」というお客さんがいない販売員は代替可能になるということでした。


つまり、替えが利く存在になってしまうということです。

これは販売員だけでなく、時計の場合は『ブランド』自体にも当てはまることかと思いますが、冬の時代が続くこんな時だからこそ特に意識したいところです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

もちろん冒頭でお伝えした通り、上記で述べてきた深刻な状況は小売業界に限った話でなく、飲食・旅行・航空・製造などの多くの業種も大ダメージを受けているので、その全体の一部のことです。

自分のいる小売業界と同様に

・給料やボーナスの減給
・派遣切り
・会社によるリストラ

などによって経済的なダメージを受けている人は多いだろうし、将来不安もあると思います。

ですのでこの記事を書くことで、「経済回すためにお金使いましょう!」というつもりは全くありません。

ただ、こういった現状があるという事実を知って欲しかったので記事にさせて頂きました。

冒頭でもお伝えしましたが、

「現場のリアルを伝える」

これは実際に時計店で働いている自分であるからできることです。

こんな状況ではありますが、ぜひ共に乗り越えていきましょう。

普段はTwitterもしているので、ぜひ気軽にフォローや記事に関するコメントなどあれば気軽に連絡下さい!

以上、マッハでした!

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