【決算解説シリーズ】『セイコーホールディングス』の2021年度 第3四半期を分かりやすく解説

SEIKO

こんにちは、マッハです。

セイコーの2021年度の第3四半期の決算出たようですね!

そうなんです。
気になるんですか?

いやー気になりますね!

分かりました。では見ていきましょう!

ということで本日は、「セイコーホールディングス」(通称:SEIKO)の2021年度第3四半期(4-12月)の決算解説をしていきたいと思います。

今回のテーマに関連して、以前にこんなツイートしました。

上記のツイートにもある通り、新型コロナの感染拡大の影響を受けつつも何とか営業黒字を保っています。

そして今回の決算から見えてきたことは、売上の伸びが期待できないため宣伝広告費を中心とした販売管理費を削減することによって利益を保っているということです。

では、これから詳しく見ていきましょう。

本日も以下のホームページにある決算説明会資料を参照しております。

IR説明会資料 | IR | セイコーホールディングス
IR・IRライブラリー・IR説明会資料 セイコーホールディングスのIRライブラリー「IR説明会資料」を掲載しています。

本日は以下の流れになっております。(※もし「時計事業」のみ気になる方は途中飛ばしてください。)

第3四半期累計(4-12月)実績

まずはこちらがセイコーホールディングスの第3四半期累計(4-12月)実績となります。

売上高:1,459億円(昨年比:約79%)
営業利益:6億円(昨年比:約8.5%)
純利益:22億円(昨年比:約36%)

とコロナの影響により非常に厳しい結果ながらもなんとか黒字を維持しております。

ただ、図右下の『特別損益内容』にもある通り、

・投資有価証券売却
・固定資産売却

など持っている一部の資産を売却した利益も含んでおり、これで約80億円ほどの利益をあげています。

もちろん上記は事業で得た持続性のある収益ではなく一時的なものであり、これが無ければ最終利益は赤字転落していたことを考えれば、何としても赤字決算は避けたかったということが分かります。

ここにセイコーのプライドを感じます。

事業別売上高(4-12月)

では、より詳細に「事業別売上高」を見てみると以下のように。

現在の「セイコーホールディングス」では主に、

  • ウォッチ事業
  • 電子デバイス事業
  • システムソリューション事業
  • その他(クロック等)

の主に4つのセグメントから成り立っています。

それぞれの売上を対昨年比で見てみると、

ウォッチ事業:770億円(昨年比:約71.3%)
電子デバイス事業:348億円(昨年比:90.6%)
システムソリューション事業:251億円(昨年比:105.4%)
その他:173億円(昨年比:76.8%)

ウォッチ・電子デバイス・その他の事業が昨年を割り込み、システムソリューション事業は昨年を超える売上なっております。

売上の落ち込みはウォッチ事業が最も大きいものの、総売上に占める割合は50%を超えておりやはりセイコーは時計の会社であることが分かります。

「事業別営業利益」に関しては以下のように↓

ウォッチ事業:40億円(昨年比:-66億円)
電子デバイス事業:0億円(昨年比:-6億円)
システムソリューション事業:25億円(昨年比:+3億円)
その他:-4億円(昨年比:-6億円)

上記で見たように、利益の柱は「ウォッチ事業」と「システムソリューション事業」であることが分かります。

その他に含まれるクロック(目覚まし、掛け時計等)は、コロナの感染拡大の影響を受けてか、やはり売上が厳しいようで営業赤字となっています。

第3四半期(10-12月)実績

これまでは第3四半期までの累計(4-12月)の実績を見てきました。

では次に、第3四半期(10-12月)のみの実績を見ていきましょう。

売上高:585億円(昨年比:約93.5%)
営業利益:22億円(昨年比:約200.5%)
純利益:1億円(昨年比:約19.7%)

と昨年には及ばなかったものの今四半期においては大きく回復してきています。

営業利益(※本業の儲け)が昨年に対して大きく増えた理由には、主に広告宣伝費などの販売管理費の削減によって経費を削減したためです。(※恐らく「人件費」も含まれる)

売上向上が見込めない現状、ゴリゴリに経費削減に動いていて利益を確保しているということです。

事業別売上高(10-12月)

では、ここでもより詳細に「事業別売上高」を見てみると以下のように。

それぞれのセグメント別売上を対昨年比で見てみると、

ウォッチ事業:335億円(昨年比:90.7%)
電子デバイス事業:124億円(昨年比:100%)
システムソリューション事業:83億円(昨年比:101.2%)
その他:68億円(昨年比:91.8%)

とバランス良く回復してきていることが分かるかと思います。

ちなみに、「システムソリューション事業」に関しては新規子会社に加え、アプリケーション性能管理ソフトなどが順調に売上を伸ばし増収となっているとのことです。

そして、「事業別営業利益」に関しては以下のように↓

ウォッチ事業:29億円(昨年比:+4億円)
電子デバイス事業:1億円(昨年比:±0)
システムソリューション事業:8億円(昨年比:+1億円)
その他:0億円(昨年比:+1億円)

となります。

ここから分かることは、「ウォッチ事業」の売上が下がって、利益額が向上したということは、主な経費削減はウォッチ事業で行われたということになります。

最近話題となった、レディースの「セイコー ルキア」のイメージキャラクターが女優の綾瀬はるかさんから池田エライザさんに変更したのもその一環なのでしょう。

池田エライザが『セイコー ルキア』イメージキャラクターに「明日へ向かう足取りを強くするものになりますように」(ザテレビジョン) - Yahoo!ニュース
池田エライザが2月19日(金)より発売される女性用ウオッチ ブランド「セイコー ルキア」新ライン「 I Collection」 のイメージキャラクターに起用されることがわかった。

「ウォッチ事業」について

では、セイコーホールディングスの中核をなす「ウォッチ事業」について詳しく見ていきましょう。

①国内

ウォッチ事業に関して決算書で言われていたのは、「グランドセイコー」と「プロスペックス」のいわゆるグローバルブランドが全体の売上の牽引役であったということ。

特に2020年は、

・グランドセイコー誕生60周年
・セイコーダイバーズウォッチ55周年

と節目となる年であったので、限定モデルが数多く発売されました。

高単価にも関わらずそれらが多くの人に受け入れられたことは、コロナ禍で苦境にある状態ではありながらも大きな収穫であったのではと勝手ながら想像しています。

今後は、「グランドセイコー」・「プロスペックス」ブランドを中心に高価格帯路線&グローバル展開を推し進めていくことが予想されます。

この「高価格帯路線」・「グローバル展開」は今後のセイコーのカギとなる戦略となっていき、その戦略を支える2大柱は「グランドセイコー」と「プロスペックス」になってくるでしょう。

ちなみに「グランドセイコー」・「プロスペックス」以外のセイコーブランドについては、触れられていないので引き続き苦戦が続いていると予想されます。

②海外

海外に目を向けると、世界的に徐々に認知度や人気が向上してきており、具体的な数字は出していないものの記念モデルを中心に好調とのこと。

日本市場は大きな市場ではありますが成長の余地が少ないことから、今後は海外により一層力を入れていくでしょう。

カギとなるのは、シチズンやカシオに対して遅れている中国市場の攻略でしょうか。

もし中国市場でも「グランドセイコー」の名前が認知され人気を得ることになれば、それこそ日本が誇る世界的ブランドとなることでしょう。

それは日本人として期待したいです。

決算を踏まえての懸念点

最後に個人的に思うことについてまとめていきます。

近年のセイコーの「高価格帯路線」は明確な戦略となっています。

その理由としては、

①スイスの高級時計メーカーに対抗するため
②スマートウォッチとの競合を避けるため

であると以下の社長のインタビュー記事で述べられていました。

(参照:コロナ禍の逆風、高級時計「GS」で攻める セイコー、スイス勢に追いつき追い越せ

スマートウォッチの登場によって時計市場全体の成長が見込みにくい中で、高価格帯に活路を見出す。

これ自体は正しい戦略なのだと思います。

加えて、多くの日本人も日本発の世界的ブランドの誕生は待ち望んでいたことです。

ただ、心配なことは、

高価格帯路線=付加価値の無い単純な値上げ

にならないか。

さらにこれによって、ユーザー離れを起こさないかという点です。

従来のセイコーへのイメージは、どちらかと言うと、より多くの人に広く使ってもらうため価格を抑えてきたように感じます。

しかし、それを高価格帯路線へシフトさせる。

もしそれによる値上げが、それに見合う付加価値のついたものであれば納得もいくでしょう。

しかし、もし付加価値をつけずに単純な値上げであれば、一部のユーザーはそれを敬遠して別のメーカーの時計に流れてしまう可能性もあるわけです。

例えば、既存モデル(※値引きあり)の色違いを限定モデルとして定価(※値引きなし)で販売する。

これが高価格帯戦略の手法だとすると、残念に思う人も出てくるかと思います。

もちろん全てが単純な値上げというわけではなく、その価値に見合った値上げをしているモデルも数多くあるのは事実ですのでそこは誤解の無いよう。

セイコーに求められる市場からの期待値が高いがために、既存ユーザーやファンを取り残していくような方針でないことを祈るばかりです。

あくまで個人的な意見ですが、最近はややそのペースが早いなと思ったのであえて書かせて頂きました。

最後に

いかがでしたでしょうか。

今回の決算では、セイコーは回復の兆しが見えてきている実態が分かったかと思います。

ただその回復は、不況になった時の定石通り、ウォッチ事業を中心とした販売管理費の削減によって利益を出しているというものです。

ですので本格的な回復は、コロナが落ち着いて、インバウンド需要が戻るまでは比較的厳しい状況が続くということですかね。

その中でも黒字化を保ったセイコーにはやはりこれまで長年築き上げてきた一流老舗メーカーとして底力を感じました。

では本日は以上となります。

普段はTwitterもやってしているので、今回の記事の感想や質問などあれば気軽にリプやDM頂けると嬉しいです。

以上、マッハでした!

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